高校化学その6 結晶格子 授業の予習にもセンター試験にも大学入学共通テストにも使える高校化学講座
今年度は大学入試センター試験の最後の年で、来年度からは大学入学共通テストが始まります。
そこで、これから何回かに分けて大学入試センター試験にはもちろん、来年度からの大学入学共通テストにも使える考え方をご紹介しようと思います。
高校3年生は大学入試センター試験に向けて、そして高校1,2年生は大学入学共通テストに向けて、記事をフル活用してほしいです。まだ、化学がそこまで進んでいない場合でもついていけるように基礎から分かりやすく解説します。
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まず、2つの試験の違いは、大学入試センター試験では、暗記中心の問題が出題されるとするならば、大学入学共通テストは、身の回りの事柄を化学と絡めた問題が出題されるということです。
つまり、これからは暗記に頼らない思考力が必要とされます。
しかし、大学入試センター試験でも、難関大学を目指す受験生は、高得点が要求され、暗記だけで高得点を取ることは難しいので、また、ハイレベルな二次試験が待ち受けているため、必然的に思考力を養う必要があります。
この記事で基礎知識を確認しつつ、しっかりと思考力をつけていきましょう。
前回の記事
https://tutorkun.hatenablog.jp/entry/2019/10/02/211621
結晶格子
金属には決まった形の結晶格子があります。
それは体心立方格子、面心立方格子、そして六方最密構造です。
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体心立方格子
ナトリウムやカリウムなどに見られる構造です。
配列は上のようになっており、単位格子中の原子の数は 1+ 1/8 ×8=2個です。
一個の原子に何個の原子が接しているのかを表す配位数はご覧の通り8です。
単位格子中の原子の体積/単位格子の体積で求まる充填率は約68%です。
マークや穴埋めの試験では覚えた68%をそのまま使うと時間が短縮できます!
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面心立方格子
アルミニウム、銅、金に見られる構造です。
配列は上のようになっており、単位格子中の原子の数は 1/8 × 8 + 1/2 × 6=4個です。
配位数は12です。
また充填率は約74%です。
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六方最密構造
ふざけていません!画像がなかったんです…
構造は上のようになっています。
しかし、単位格子は六角形のように見えるものの1/3ですが、考えやすくするために3倍して、六角形のような構造で考えます。
まず、単位格子の3倍のもの中の原子の数は
1/6 × 12 + 1/2 × 2 +1×3=6です。
そして、単位格子はその1/3ですから、単位格子中の原子の数は2です。
配位数は面心立方格子と同じ12です。
充填率は面心立方格子と同じ74%です。
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試験にはこんな問題が出る
充填率を求める問題、原子半径を求める問題が頻出です。
充填率の計算ではミスが出やすいので値を覚えておくと楽になります。
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今回のポイント
金属の構造で3種類はなに?
それぞれの単位格子中の原子の数は?
配位数は?
充填率は?
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ではまた。