高校化学その5 同素体 授業の予習にもセンター試験にも大学入学共通テストにも使える高校化学講座
今年度は大学入試センター試験の最後の年で、来年度からは大学入学共通テストが始まります。
そこで、これから何回かに分けて大学入試センター試験にはもちろん、来年度からの大学入学共通テストにも使える考え方をご紹介しようと思います。
高校3年生は大学入試センター試験に向けて、そして高校1,2年生は大学入学共通テストに向けて、記事をフル活用してほしいです。まだ、化学がそこまで進んでいない場合でもついていけるように基礎から分かりやすく解説します。
記事が良かったと思ったら、どんどん友達に紹介していってください。
まず、2つの試験の違いは、大学入試センター試験では、暗記中心の問題が出題されるとするならば、大学入学共通テストは、身の回りの事柄を化学と絡めた問題が出題されるということです。
つまり、これからは暗記に頼らない思考力が必要とされます。
しかし、大学入試センター試験でも、難関大学を目指す受験生は、高得点が要求され、暗記だけで高得点を取ることは難しいので、また、ハイレベルな二次試験が待ち受けているため、必然的に思考力を養う必要があります。
この記事で基礎知識を確認しつつ、しっかりと思考力をつけていきましょう。
前回の記事で共有結合、金属結合、イオン結合について書きましたが、今回は共有結合の結晶の同素体に絞って解説していこうと思います。
前回の記事
https://tutorkun.hatenablog.jp/entry/2019/10/01/203514
同素体
同素体とは、同じ元素だが、性質が異なる元素のことを言います。
試験に出る同素体は4つ。炭素C、酸素O、リンP、硫黄Sです。
一つずつ性質や特徴を抑えていきましょう。
|
酸素Oの同素体
酸素Oには、空気の約20%を占める酸素O2とオゾン層で有名なオゾンO3があります。
オゾンは特異臭で強い酸化力を持っています。
また、殺菌、消毒作用に優れています。
|
炭素Cの同素体
ダイヤモンド、黒鉛を押さえましょう。
ダイヤモンドは言わずと知れた最もかたいものですよね。融点が非常に高く、電気伝導性がありません。
黒鉛は網目状の平面構造が重なってできるもので、平面構造はファンデルワールス力で結びついているため、うすくはがれやすいという性質を持ちます。
鉛筆がかけるのはこの性質のおかげです。
また、炭素原子の価電子4つのうち3つが平面構造に使われ、1つは自由に動き回れるので、電気伝導性があります。
|
リンPの同素体
黄リン、赤リンがあります。
黄リンは猛毒で自然発火するため、水中で保管します。
赤リンはマッチ棒の先端に使われています。つまり、猛毒でもありませんし、自然発火もしません。
|
硫黄Sの同素体
斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄があります。
斜方硫黄は黄色の塊状結晶です。
単斜硫黄は針状結晶です。
ゴム状硫黄はその名の通り、ゴム状です。
|
試験にはこんな問題が出る
同素体の性質を正誤問題などで問われます。
また、黒鉛がなぜ薄くはがれやすいのか、電気伝導性を持つのか、結晶の構造を踏まえたうえで問われます。
|
今回のポイント
同素体に何があった?
その性質は?
黒鉛の構造は?
ではまた。
|